17才の春  ASIMOの涙

      「3・11+ 9・11=12・22」

「んぅ・・・。今日はかなりシビィアだね」
「つまり、3・11は地震や津波そして原発事故。9・11は人々の憎しみ合いによるテロ行為」
「そして不思議なことに12・22は古代マヤ歴五千数百年にもおよぶ大きな区切りの預言になる」

「二年がたって、事故のその後の処理がどうなったのか、私たちには成果が見えないわね」
「少なくとも地元の住人には経過報告はすべきだよねプラスもマイナスも」
「いろんなトラブルが続いているけど、それも想定の範囲内なのかしら、それともやっぱり外?」
「地震によるダメージの痕跡を津波がみんな流した。事故の調査さえまだ出来ていない」
「まだ原子炉内の調査もできないのに廃炉の行程表なんて、そもそも出せるわけがない」
「中を調査するためのロボットを只今開発研究中」


「私たちの不安はますます広がっているわよね」
「M7M8また揺れたらどうだろうとか」
「梅雨の長雨とか秋の台風とか陸上では30メートルの強風なんて聞くとあのボロボロの建屋はもつだろうかとか」
「しじゅう停電になる発電所の中ってどんなだろうとか」
「ジャージャー漏れっぱなしの汚染水、貯めるタンクもいっぱいでまたみんなをあざむいて、海洋投棄でも考えてるのかとか」
「零戦のパイロットと同じで、訓練を受けた優秀な者はどんどん戦死して操縦したこともないような奴が、どきどきしながら、運転席に座ってる」
「たまたまねずみが教えてくれた。二年たった今でも仮設の配管や配線のお粗末なことには驚いた」
「いったい今までなにしてたんだ。と」
「あのねずみは貴重な情報をくれたよね。<このままじゃだめだよチュウ・・・て>隠蔽体質の電力会社の幹部や広報より、よほど人のためになった」

「空にいろんなもの打ち上げるのが、好きな人もいる。故意にせよ偶発的にせよ、上からなにか落ちてきたら、どうするんだろう」
「飛行機の部品ひとつでも、大惨事だ」
「これからのテロの標的は商業ビルやペンタゴンだけじゃないね。どうせ自爆テロなら核関連施設や原子力の施設も標的になるだろうな」
「そんな非人道的なことがあっていいの?」
「じゃぁ人道的な自爆テロって、どういうんだ・・・・・あのねずみは人道的なテロリストかもしれないけど」「ねずみ一匹止められなくて、どうして、テロが止められるんだろう」
「イタチやタヌキやハクビシン、周辺ではブタとイノシシが結婚してイノブタが生まれているらしい」
「そのうち、サファリーパークにでもなりそうね」
「・・・・・」
「ごめんなさい」
「そもそも安全な原発ってどんなんだろう」
「高度に進んだ科学技術と人間の悪意や憎しみ。この組み合わせは恐ろしいね」
「地震や津波は私たちに人間のはかなさを教えてくれた。原発事故は人間の愚かさを教えてくれた。ってことかな」
「事故の収束宣言どころじゃないよね。むしろ今出さなくちゃならないのは非常事態宣言じゃない」



「40年で廃炉というと、なんかすっかりきれいになるような気がするけど、そうじゃないよね。その後に放射能を含んだ様々な物質が何十年何百年も身近に残る」
「あの施設全体、建屋がすべて放射能に汚染された粗大ゴミ。まず細かく刻んで・・・廃炉の行程は神秘的だ」「たとえば、部屋中がゴミだらけだとする。とりあえず部屋の片隅にゴミを寄せる。歩くところと、ふとんをひくとこができた。これでいくらかは住みやすくなる。これが除染。次に粗大ゴミはなるべく細かく切り刻んで、できるならコンクリートや鉄骨、種類で分別したい。それから袋を買ってきてゴミを詰める、それまでに40年
ってことだ」
「現実には、ゴミの集めかたやつめかたもこれからの研究課題だそうだ」
「命懸けのゴミ集めだ」
「さて、いったいこのゴミをどうするか。と頭をひねる」
「日に日に量も増えてくるし、なんか回りの床も濡れてきた。空気もよどんできてる。決して共存できるものには思えない」
「回収はされないし、ゴミステーションもみつからない。あの部屋には、近づくなってみんなに言われはじめる」
「どこかに埋めるとか、休みの日に遠くの公園に誰にも見つからないように、捨てに行くとか?」
「名案だね。とにかく自分らからは遠ざけなくちゃ、部屋の外にださなくちゃ体に悪い」
「このままじゃ彼女も呼べないし俺は一生独身か・・・と」
「それは、ゴミのせいだけじゃないかも」


「ここでまずはじめに、きわめて日本的な考え方。ここ掘れワンワン。」
「どこか、場所を決めて地底に埋める」
「そして、ゴミにお願いする。どうか、ずっとそこでおとなしくしててくださいね」
「犬に場所を聞いてゴミにお願いする?あまり科学的だとは思えないけど」
「永久にその状態であるとは、思えないわね」
「遠くの公園はどうだろう?」
「海洋投棄とか、宇宙に打ち上げるとか?」
「強烈!今の発言は、ほぼ人間失格」
「いや宇宙の中での人類失格よ」
「宇宙警備隊に攻撃される」
「なんか、私たちは宇宙の有害生物のような気がしてきた」
「とにかく、おそらくどこにも捨てる所は見つからない。ほんの数十年発電しただけで、このざまだ。これからの作業は莫大だね」
「資源の少ない小さな島国の高度成長。代償はあまりに大きいってことかな」


「ここで頭のいい奴なら、2つ考える。まずはじめに大家さんに相談する」
「無理だね。全くあてにはならない。現実の認識がないし、隠し事をする」
「第一、彼らにとって事態は収束してるらしい」
「部屋中ゴミの山、床ももうビジョビジョで、このよどんだ空気。大家さんはこの部屋を見てもきれいだと言えるんだろうかよくなってきたと胸をはるんだろうか」
「2つめは?」
「それは決まってる。新しいアパートを探して、引っ越しする」
「つまり、逃げる。ゴミは置いて自分のほうがいなくなるってこと」
「今のままでは、おそらくやがてみんな、そうなる」
「科学が進んで、人は北極や南極、エベレストの頂上、あるいは深海奥深くまで、地球上のあらゆる所まで、行けない所はなくなった。でも、自らの手で放射能のドクロマーク地帯、生命が近づけない場所をつくりつつある」
「国や電力会社は結局のところ、原子力や放射能に対しての知識はない、無力なシロウト。時間の経過に対応が追い付いてはいない。責任者として生涯廃炉作業に従事するのは当然のことだが、現状を任せるだけの能力はない。やはり本来発電所をつくった世界水準の科学者や技術者に廃炉の先頭にたってほしい。私たちのこの地域が手遅れになるまえに、世界中の皆さまにお願いしたい」
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